京都で観察できる、前近代の大規模な自然改変・人工地形といえば、やはり豊臣期の遺構です。豊臣期に造成された人工地形は御土居や伏見城・城下町が有名ですが、他にも大規模な遺構をまだまだ見ることができます。
東山に巨大なマウンド状地形
今回ご紹介の地図は「京都市明細図」です。
京都市明細図とは
京都市明細図は、1,200分の1の縮尺で描かれた大縮尺の地図であり、いわゆる火災保険図(火保図)と呼ばれる地図の一種である。 1927年ごろに大日本聯合火災保険協会京都地方会によって作成されたもので、1942年まで部分的な更新が行なわれてきた。 その後、1950年から1951年にかけて、手書きによる彩色や書き込みが施され、戦後の情報も付け加えられている。 なお、京都市明細図の原図は、京都府立総合資料館において所蔵・公開されている。
ArcGIS-京都市明細図(Large Scale Maps of Kyoto City, 1927-1951)
京都市東山区の東山七条(東大路通と七条通の交差点)周辺をクローズアップしてみました。三十三間堂の北側に、巨大な「マウンド」のような地形が描かれていることが分かりますか。見やすいように、マウンドの箇所を緑色に着色しました。
● 図:東山のマウンド状地形(京都市明細図を改変)
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