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京都高低差崖会

京都高低差崖会は京都の凸凹地形を探索しています。平地ではいられなかった、高低差が生まれてしまった、京都ならではの「まちの物語」「土地の記憶」を読み解いていきます!

ブラタモリ奈良に出演!:奈良中心部の凸凹地形

出演情報 ブラタモリ 奈良 断層・撓曲 まいまい京都

@chang_umeです。
NHKの大人気番組「ブラタモリ」に出演第二弾となりました。
みなさん楽しくご覧いただけたでしょうか!?

今回はタモリさんと「奈良発展の秘密は“段差”にあり?」をテーマに、奈良中心部の高低差・凸凹地形をご案内しました。ブラタモリ京都スペシャル「御土居編」の前回出演に引き続いて、奈良まで足を伸ばしつつさらに探索を深めた次第です。

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www.nhk.or.jp

一般に奈良は「平地」のイメージが強いと思いますが、ダイナミックな高低差が意外なくらいに潜んでいます。とりわけ、奈良の高低差は商店街や観光地のただなかに姿を見せていて、これぞまちなかの凸凹地形!と感嘆するような風景に巡り合えるのです。

まちなかの凸凹地形こそ、そのまちに生まれた特別な物語・エピソードをうかがい知ることができますね。これぞ京都高低差崖会の面目躍如といいますか…!

タモリさんも巡った奈良を歩こう!

というわけで、せっかくなので番組内でタモリさんと一緒に巡り歩いた道のりをみなさんも歩きませんか!?

まいまい京都にて、奈良高低差ツアーをやります!この機会にぜひ、タモリさん目線で奈良を探検しましょう!!

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  • 日時:8/8(土)・8/25(火)・9/5(土)・9/22(火・祝)、13:00~17:00
  • ルート:近鉄奈良駅 → 東向商店街 → 奈良基督教会 → 奈良市道路元標 → 興福寺境内(北円堂・中金堂・五重塔・南大門跡)→ 猿沢池 → 率川旧河道 → 元林院町(旧花街)→ 奈良町のまちなみ → 元興寺極楽坊 → 奈良町物語館 → 元興寺塔跡

参加申し込みについて

ご参加希望の方は、まいまい京都よりお申込みください。
定員に達し次第、締め切りなのでお早めにどうぞ!

■ 8/8(土)13:00~17:00
まいまい京都 / 住民がガイドする京都のミニツアー |【TV放送記念】タモリさんを案内したガイドと、奈良の高低差凸凹ツアー

■ 8/25(火)13:00~17:00
まいまい京都 / 住民がガイドする京都のミニツアー |【TV放送記念】タモリさんを案内したガイドと、奈良の高低差凸凹ツアー

■ 9/5(土)13:00~17:00
まいまい京都 / 住民がガイドする京都のミニツアー |【TV放送記念】タモリさんを案内したガイドと、奈良の高低差凸凹ツアー

■ 9/22(火・祝)13:00~17:00
まいまい京都 / 住民がガイドする京都のミニツアー |【TV放送記念】タモリさんを案内したガイドと、奈良の高低差凸凹ツアー


www.maimai-kyoto.jp

みなさんのご参加をお待ちしています!
収録の思い出話番組ではご案内しきれなかったポイントも盛り沢山です。

個人的には、東京の「渋谷川」旧河道の界隈に雰囲気がそっくりな「率川(いさがわ)」旧河道をぜひご覧いただきたいと。東向商店街南側の商店街「もちいどのセンター街]」を横切る旧河道・浸食谷は一見の価値アリです。

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■ もちいどのセンター街を横切る「率川」旧河道(イイ雰囲気でしょう!?)

タモリさんの視線の先には…?

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今回のブラタモリ奈良のワンシーンです。
さて、タモリさんが熱い視線を送っている先には…?
そこには、番組にとってキーとなる風景が広がっていました。

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これぞまちなかの高低差!市街地にひっそりと息づいている崖面です。

なにげなく歩いてもまず気づくことがない、奈良の市街地に溶け込んだ凸凹地形がありました。番組前半、奈良基督教会の紹介地点でご案内した風景です。この風景を、タモリさんは鼻息荒く観察していました。

僕も嬉しかったですねー!何が嬉しいかといって、高低差に興奮・感動するポイントをタモリさんと共有できたこと。その瞬間、「高低差を好きでよかった…」と収録中に関わらず感慨にふけっていました。いやーよかったです。

こちらの崖面を改めてご紹介すると…

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東向商店街のすぐ東側にある、日本聖公会奈良基督教会がこの地点なのでした。

東向商店街は奈良きっての商店街でいつも多くの人通りで賑わっていますが、商店街のなかにこれほど立派な崖面が潜んでいたのです。まさしくまちなかの高低差

奈良中心部の凸凹地形

今回のブラタモリでご紹介したとおり、奈良のまちには立派な高低差が走っています。東向商店街から奈良町にかけて、南北方向の崖線が連なる風景は奈良中心部の特徴的な地形といえるでしょう。

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■奈良中心部の凸凹地形(以下、地形図は全てカシミール3Dを使用)

興福寺を中心に、西側の低地部とはっきり異なる地形が分かりますか。

古代・中世・近世と奈良の政治的・経済的なセンターだった興福寺、中世以降に奈良の市街地中心部として発展した奈良町、そして現代のセンターである奈良県、この全てが低地部ではなく段丘上面に位置しているのです。

ではさらに、この南北方向の崖線と段丘はいったい何なのか?

高低差は断層帯だった!

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奈良盆地東縁断層帯

じつは東向商店街・興福寺・奈良町にかけて走る崖線、そして東側に発達した段丘面は、「断層帯」の一部なのでした。

奈良盆地は、断層帯を中心とした地形の隆起・沈降によって誕生しました。構造盆地と呼ばれる典型例です。そして、現在の東向商店街・興福寺の周辺に見られる南北方向の崖線・段丘は、奈良盆地を生み出した断層帯のうち「奈良盆地東縁断層帯」と呼ばれる地形なのでした。*1

巨大地震などによって断層帯付近で地層にズレが生まれた結果、上層の地層に「たわみ」が生じた地形を撓曲(とうきょく)といいますが、東向商店街・興福寺の周辺の高低差はこの撓曲地形だったのです。

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■東向商店街近くの高低差を上面から

ちなみに東向商店街すぐ隣りの奈良基督教会の地点では、比高差が約10mもあります。まちなかの高低差として、かなり特徴的と思いませんか。

また近鉄奈良駅を出てすぐ、大きな道路(登大路)がはっきりとした高低差を見せています。この登大路の高低差も、奈良盆地東縁断層帯の一部です。奈良のまちが、いかに高低差の凸凹地形に恵まれているか!

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近鉄奈良駅前の高低差(登大路)

奈良の“社会的地形”

そしてこの断層帯から生じた高低差地形こそが、奈良のまちが平城京以降も発展を続けてきたひとつのキーポイントとなりました。つまり崖線より高所の段丘上面が、奈良の伝統的な中心部として発展してきたという経緯です。

ここでもう一度、奈良中心部の地形を見てみましょう。

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■奈良中心部の特徴的な地形

興福寺を中心とした凸凹地形が、奈良のまちにおいて歴史的・社会的に特別なストーリーを備えているように見えてきませんか? 地形とまちの姿を見比べたくなるような誘惑を感じてしまいます。

奈良のまちでは高低差が単に自然地形というより、まち自体を形作るような、いわば“社会的地形”として作用したといえるでしょうか。あるいはもっと一般化して、「まちの地形は社会的に構成されている」ともいってよいかと。*2

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■奈良町から見た興福寺:周囲よりも一段と高い位置です。

今回の奈良をはじめとして、日本中さらには世界中のまちにもきっと、高低差を筆頭に様々な地形とヒトの生活が共存してきた歴史があるのでしょうね。

京都高低差崖会では、自然とヒトの両者が織りなす“社会的地形”を、これからも追いかけて行きたいと思っています。

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