京都高低差崖会

京都高低差崖会は京都の凸凹地形を探索しています。平地ではいられなかった、高低差が生まれてしまった、京都ならではの「まちの物語」「土地の記憶」を読み解いていきます!

NHKブラタモリ「#70京都 祇園」に出演!:「うめちゃん」と呼ばれた日

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今回のNHKブラタモリ「#70京都 祇園をご覧いただけたでしょうか。

「~日本一の花街・祇園はどうできた?~」をテーマに、京都の鴨川東岸に広がる花街「祇園」一帯をご案内した内容です。一年ぶりの出演ということで、僕も気合いの入った収録となりました。

今回の祇園編。「京都らしさ」の中心である祇園というまちを、ブラタモリ目線で読み解いたらどうなるか?紋切り型ではない祇園の再解釈」をお楽しみにいただけたらうれしいです。

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『京都の凸凹を歩く』(青幻舎)で復習しよう!

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昨年5月『京都の凸凹を歩く』(青幻舎)を刊行しました。おかげさまで「京都ガイド本大賞2016」も受賞!ブラタモリファンの皆さんに向けて書いた一冊です。

今回の「祇園編」にちなんだ花街の段差八坂神社の桃山断層など、凸凹地図と写真を数多く収録しています。この機会にぜひ読んで復習しよう!

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ブラタモリ放映記念:まち歩きツアーも開催!

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もはや恒例(?)、ブラタモリ記念まち歩きツアーを開催します。

タモリさん&近江さんと歩いた祇園のまち、京都で花街が発展した背景、近世京都のウォーターフロント開発を、現地でじっくり歩きながら理解していきましょう。鴨川東岸でにぎわった近世・近代の花街まちづくりから目が離せない!

  • 祇園前編】タモリさんを案内したガイドと、日本一の花街・祇園町へ:5/4(木祝)、5/21(日)、6/6(火)
  • 祇園後編】タモリさんを案内したガイドと、祇園円山凸凹ツアー:5/14(日)、5/26(金)、6/18(日)

お申し込みはまいまい京都特設webサイトからどうぞ!

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ブラタモリのちょっといい話

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大人気番組「ブラタモリ」のちょっといい話。今回収録も含めてご紹介しましょう。

タモリさんは本当にぶっつけ本番なの!?

はい。タモリさん&近江アナはぶっつけ本番です。お二人には台本も事前情報もまったくありません。なので、番組での様子は全ていわば素のリアクションと思ってください。

タモリさんはどんな人!?

おしゃれでやさしいジャズマンです。案内人の僕らにも本当にやさしくて、物腰がやわらかく、「これはタモリさんを好きになってしまうな!」「惚れてしまうな!」といつも感じています。実際、僕はタモリさんが大好きです。収録前は胸とのトキメキが抑えられません。

なぜタモリさんはあんなに「博識」なの!?

たぶん、教養深い文化人タモリさんの素顔かなあと思っています。もちろん知識が豊富な方であることは間違いないのですが、それ以上に文化全般について造詣が深い。文化的なベースが分厚い方なので、どんな話題にもタモリさんならではの理解・解釈がどんどん出てくる。「こんな人になれたらいいな」とあこがれの大人です。

ブラタモリはどんな思いでつくられているの!?

なので、そんなタモリさんを「驚かせたい!」「感動してもらいたい!」「楽しんでもらいたい!」の一心で、制作陣は番組作りに励んでいるのではないでしょうか。予定調和ではなくって、文化的で教養深いタモリさんの予想を超えていきたい一心。「それ知らないよ!」「なんなのそれ!」の一言を、タモリさんからもらいたい気持ちで収録に向き合っているのです。届けこの思い!

「うめちゃん」と呼ばれた日

今回「祇園編」収録後、タモリさんから「うめちゃん、実はさ…」(以下秘密の会話)と初めてあだ名と呼ばれました。はい。自慢です。いやあ、うれしかったです。梅林・梅本・梅木など、名字に梅が付く国際同盟に朗報です。

本日9/23・NHK歴史秘話ヒストリアに出演、そして恒例の記念ツアーを開催します!

NHK歴史秘話ヒストリア「京都 まぼろし大仏の旅」はいかがだったでしょうか。豊臣政権が秀吉・秀頼の親子二代にわたって築造した「大仏エリア」は超巨大な魅力を放っていましたね!

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恒例の番組記念ツアーも開催します!

というわけで、もはや恒例となった番組記念ツアーを開催です!

番組でご紹介したあのポイント、さらにもっと深く知りたい歩きたいみなさんにはこのポイント等々。井上あさひアナと一緒に歩いた、豊臣政権の超巨大宗教エリア「大仏」をフィールドワークします!

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10月・11月・12月と全4回。正面通~耳塚~豊国神社・方広寺~女坂~太閤坦・豊国社跡~豊臣秀吉墓まで、すべて歩きましょう!見て回りましょう!発見しちゃいましょう!

ツアー、書籍、そしてヒストリア出演!

今回放映の企画出演までには、これまで「大仏エリア」でのフィールドワークツアー実施、それをふまえた書籍刊行の流れがありました。

  1. 大仏エリアツアー:まいまい京都にて実施
  2. 書籍刊行:『京都の凸凹を歩く』(青幻舎)
  3. そして今回、ヒストリアに出演!

フィールドワークツアー!:まいまい京都で実施

2010年からまいまい京都にて、今回の大仏をはじめ御土居や伏見そして祇園など、さまざまなエリアのフィールドワークツアーを実施してきました。おかげさまで、どのツアーも今や満員御礼で数多くの参加者のみなさんと盛り上がりながらフィールドワークを深めていっています。

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そして、まいまい京都のツアーを通じて参加者のみなさんと「大仏エリア」を深めながら、次に書籍『京都の凸凹を歩く』が生まれていったのです。実は今回の出演も、書籍刊行が大きなきっかけでした。

書籍刊行!:『京都の凸凹を歩く』(青幻舎)

『京都の凸凹を歩く』(青幻舎)ではその名も「大仏」と題した章で、番組今回でご紹介したエリアをさらに深くリッチに掘り下げています!

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全国書店、そして京都市内ではなんとコンビニ「セブンイレブン」各店舗でも取扱中です。

今回の「大仏」エリアをはじめ、祇園聚楽第御土居巨椋池・伏見指月・淀城、これまでのフィールドワークの集大成となった書籍『京都の凸凹を歩く』を、この機会にぜひご覧ください。

京都の「平地ではいられない物語」をご一緒しましょう!(梅)

ブラタモリが京都伏見にやってきた!:伏見編収録の思い出、記念ツアーもやっぱり開催します!

@chang_umeです。
大人気TV番組NHKブラタモリ京都編Part2。4/30「嵐山編」に引き続き、今回5/7(土)は満を持しての「伏見編」です。みなさんお楽しみいただけたでしょうか!?

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収録は3/9(水)、突然のタモリさん伏見区に登場で、当日は伏見区民のみなさんからざわめきと熱狂をもってお迎えいただきました。これまでブラタモリは3回出演していますが(京都編Part1御土居、奈良編、京都嵐山編)、番組収録中に道行く貴婦人のみなさんからこれほどホットなロケ介入をいただいたのも初めてでした。さすが伏見、おそるべし伏見。

さらに、番組収録はあいにくの大雨。タモリさん雨男説はまたもや実証されました。今回の伏見編は内容がフルボリュームで、収録当日も数多くのエリア・ポイントを巡ったのですが、伏見貴婦人軍団からの激しくも温かな声援もあって無事にスケジュールを消化できました。

収録にご協力いただいたみなさん、まことにありがとうございました。雨の中、ロケ隊の到着を傘差しながら待っていた皆さんの笑顔はずっと忘れません。

書籍『京都の凸凹を歩く』と番組制作は同時進行!

新書籍『京都の凸凹を歩く―高低差に隠された古都の秘密』(青幻舎)。おかげさまで売れ行き好調です。今回、書籍制作からつくづく感じたことは、「本は読者に届いて初めて本になる」という思いでした。ひとりでも多くの方にお届けできたらと願っています。

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ちなみに、書籍と今回のブラタモリ京都編Part2は、制作がまったくの同時進行でした。とくに本日放映の「伏見編」は番組制作中の取材活動から多くの知見を得て、『京都の凸凹を歩く』にも「巨椋池」と「伏見指月」の章は生まれています。

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巻末のブラタモリ番組プロデューサー・山内さんとの対談記事では、番組制作の秘話も盛りだくさん。どんな思いを抱いて、制作陣がブラタモリを作りあげているか。タモリさんの存在は、番組にとってどんなシンボリックな意味合いをもっているか。興味が湧くところですよね!?

全国のブラタモリファンのみなさんに向けて書いた『京都の凸凹を歩く』で、ぜひ京都の新たな魅力とブラタモリの制作にかける思いをともにできたらと思っています。

ブラタモリ伏見編トリビュート企画:記念ツアーを開催!

そんなわけで、タモリさんも歩いた伏見を探索しましょう!

番組で紹介したあのエリア、このポイント。内容がフルボリュームなので、今回はツアーも「前編」「後編」に分けました。豊臣政権の巨大すぎる自然改造・人工地形を現地で体感しましょう。

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ツアー開催は、京都ミニツアー まいまい京都にて。本日5/7(土)、ブラタモリ伏見編の番組終了後から予約開始です。ご参加希望の方はぜひお早めにご応募ください!

ブラタモリ記念ツアー:伏見編(前編)

まいまい京都 / 住民がガイドする京都のミニツアー |【TV放送記念・伏見前編】タモリさんを案内したガイドと、伏見城「豊臣地形」凸凹ツアーまいまい京都 / 住民がガイドする京都のミニツアー |【TV放送記念・伏見前編】タモリさんを案内したガイドと、伏見城「豊臣地形」凸凹ツアー

  • 日程:5/26(木)・29(日)・6/4(土)
  • ルート: 伏見区役所→伏見「惣構」→「町人町」の都市計画→「大名屋敷」(武家町)の遺構探索→伏見城(木幡山城)の巨大遺構!
  • 受付開始:5/7番組終了後の20:30~

ブラタモリ記念ツアー:伏見編(後編)

まいまい京都 / 住民がガイドする京都のミニツアー |【TV放送記念・伏見後編】タモリさんを案内したガイドと、幻の伏見指月城をめぐる


ではでは、ブラタモリファンのみなさん、伏見でお会いしましょう。
多くのご参加をお待ちしています!

ブラタモリが京都に帰ってきた!:嵐山編 ~番組記念ツアーを開催します!~

@chang_umeです。
大人気TV番組NHKブラタモリ京都編Part2がいよいよスタートしました!

今回は、4/30(土)・5/7(土)の二回連続、エリアは嵐山編伏見編となっています。おかげさまで、僕自身もブラタモリ出演は京都編Part1(御土居編)奈良編に続いて、3回目・4回目となりました。タモリさんと肩を並べてまち歩きするなんて、とても貴重な経験をさせていただいています。うれしいですね。

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  1. 4/30(土)嵐山編(#36 京都・嵐山)~嵐山はナゼ美しい!?~
  2. 5/7(土)伏見編(#37 京都・伏見) ~伏見は“日本の首都”だった!?~

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それぞれ、放映時間は19:30~20:15となっています。タモリさん目線で京都を歩いたらどうなるか、今回はとくにこれまでの番組の趣旨に加えてちょっとした新機軸も盛り込んでいます。そこもぜひお楽しみいただけたらと思っています。

「はんなり」や「昔ながらの」といった紋切り型の京都とはまた違ったすがたを、番組を通してぜひみなさんと共有できたら。

活動の拠点は、Facebookページに!

京都高低差崖会の活動はFacebookページ https://www.facebook.com/kyotokoteisa/ で日々盛り上がっています。京都の凸凹地形を中心に、範囲の広い話題についてみなさんと交流中です。

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頻繁に更新中なので、ぜひFacebookページもご覧いただけたら。「平地のままではいられない物語」「土地の記憶」をFacebookページからこれからも発信していきたいと思っています。

2016年4月、『京都の凸凹を歩く』を出版しました!

新書籍『京都の凸凹を歩く―高低差に隠された古都の秘密』(青幻舎)を出版しました!今回のブラタモリ京都編Part2の内容を含んだ内容で、京都市内の凸凹地形について、風景の成り立ちを読み解きながら、まちのライフヒストリーに迫ったものです。

www.seigensha.com

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祇園聚楽第・大仏・御土居・伏見などなど、本のなかでは、選りすぐりの9エリアを掲載しています。また今回は特別企画として、ブラタモリ」番組プロデューサー山内さんとの対談記事も盛り込みました。

ブラタモリファンのみなさんにも「そうか、なるほど!」と共感をいただけるような一冊です。ぜひこの機会に、『京都の凸凹を歩く」を片手に京都のまちをじっくり歩いてはいかがでしょうか。

タモリさんも歩いた京都の嵯峨嵐山を歩こう!

京都に帰ってきたブラタモリ。番組でご紹介したエリアについて、京都高低差崖会の目線でツアーを実施します!

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京都ミニツアー まいまい京都にて、まずは嵐山編のツアーを5月から予定しています。本日4/30、ブラタモリ番組終了後から予約開始ですので、ご参加希望の方はお早めにご応募ください!

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番組制作時のエピソードなど、ブラタモリ愛を語りながら嵯峨嵐山をめぐりましょう。番組では時間の関係で泣く泣くカットした話題も盛りだくさんです。多くのみなさんからのご参加をお待ちしています!

ブラタモリ奈良に出演!:奈良中心部の凸凹地形

@chang_umeです。
NHKの大人気番組「ブラタモリ」に出演第二弾となりました。
みなさん楽しくご覧いただけたでしょうか!?

今回はタモリさんと「奈良発展の秘密は“段差”にあり?」をテーマに、奈良中心部の高低差・凸凹地形をご案内しました。ブラタモリ京都スペシャル「御土居編」の前回出演に引き続いて、奈良まで足を伸ばしつつさらに探索を深めた次第です。

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一般に奈良は「平地」のイメージが強いと思いますが、ダイナミックな高低差が意外なくらいに潜んでいます。とりわけ、奈良の高低差は商店街や観光地のただなかに姿を見せていて、これぞまちなかの凸凹地形!と感嘆するような風景に巡り合えるのです。

まちなかの凸凹地形こそ、そのまちに生まれた特別な物語・エピソードをうかがい知ることができますね。これぞ京都高低差崖会の面目躍如といいますか…!

タモリさんも巡った奈良を歩こう!

というわけで、せっかくなので番組内でタモリさんと一緒に巡り歩いた道のりをみなさんも歩きませんか!?

まいまい京都にて、奈良高低差ツアーをやります!この機会にぜひ、タモリさん目線で奈良を探検しましょう!!

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  • 日時:8/8(土)・8/25(火)・9/5(土)・9/22(火・祝)、13:00~17:00
  • ルート:近鉄奈良駅 → 東向商店街 → 奈良基督教会 → 奈良市道路元標 → 興福寺境内(北円堂・中金堂・五重塔・南大門跡)→ 猿沢池 → 率川旧河道 → 元林院町(旧花街)→ 奈良町のまちなみ → 元興寺極楽坊 → 奈良町物語館 → 元興寺塔跡

参加申し込みについて

ご参加希望の方は、まいまい京都よりお申込みください。
定員に達し次第、締め切りなのでお早めにどうぞ!

■ 8/8(土)13:00~17:00
まいまい京都 / 住民がガイドする京都のミニツアー |【TV放送記念】タモリさんを案内したガイドと、奈良の高低差凸凹ツアー

■ 8/25(火)13:00~17:00
まいまい京都 / 住民がガイドする京都のミニツアー |【TV放送記念】タモリさんを案内したガイドと、奈良の高低差凸凹ツアー

■ 9/5(土)13:00~17:00
まいまい京都 / 住民がガイドする京都のミニツアー |【TV放送記念】タモリさんを案内したガイドと、奈良の高低差凸凹ツアー

■ 9/22(火・祝)13:00~17:00
まいまい京都 / 住民がガイドする京都のミニツアー |【TV放送記念】タモリさんを案内したガイドと、奈良の高低差凸凹ツアー


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みなさんのご参加をお待ちしています!
収録の思い出話番組ではご案内しきれなかったポイントも盛り沢山です。

個人的には、東京の「渋谷川」旧河道の界隈に雰囲気がそっくりな「率川(いさがわ)」旧河道をぜひご覧いただきたいと。東向商店街南側の商店街「もちいどのセンター街]」を横切る旧河道・浸食谷は一見の価値アリです。

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■ もちいどのセンター街を横切る「率川」旧河道(イイ雰囲気でしょう!?)

タモリさんの視線の先には…?

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今回のブラタモリ奈良のワンシーンです。
さて、タモリさんが熱い視線を送っている先には…?
そこには、番組にとってキーとなる風景が広がっていました。

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これぞまちなかの高低差!市街地にひっそりと息づいている崖面です。

なにげなく歩いてもまず気づくことがない、奈良の市街地に溶け込んだ凸凹地形がありました。番組前半、奈良基督教会の紹介地点でご案内した風景です。この風景を、タモリさんは鼻息荒く観察していました。

僕も嬉しかったですねー!何が嬉しいかといって、高低差に興奮・感動するポイントをタモリさんと共有できたこと。その瞬間、「高低差を好きでよかった…」と収録中に関わらず感慨にふけっていました。いやーよかったです。

こちらの崖面を改めてご紹介すると…

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東向商店街のすぐ東側にある、日本聖公会奈良基督教会がこの地点なのでした。

東向商店街は奈良きっての商店街でいつも多くの人通りで賑わっていますが、商店街のなかにこれほど立派な崖面が潜んでいたのです。まさしくまちなかの高低差

奈良中心部の凸凹地形

今回のブラタモリでご紹介したとおり、奈良のまちには立派な高低差が走っています。東向商店街から奈良町にかけて、南北方向の崖線が連なる風景は奈良中心部の特徴的な地形といえるでしょう。

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■奈良中心部の凸凹地形(以下、地形図は全てカシミール3Dを使用)

興福寺を中心に、西側の低地部とはっきり異なる地形が分かりますか。

古代・中世・近世と奈良の政治的・経済的なセンターだった興福寺、中世以降に奈良の市街地中心部として発展した奈良町、そして現代のセンターである奈良県、この全てが低地部ではなく段丘上面に位置しているのです。

ではさらに、この南北方向の崖線と段丘はいったい何なのか?

高低差は断層帯だった!

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奈良盆地東縁断層帯

じつは東向商店街・興福寺・奈良町にかけて走る崖線、そして東側に発達した段丘面は、「断層帯」の一部なのでした。

奈良盆地は、断層帯を中心とした地形の隆起・沈降によって誕生しました。構造盆地と呼ばれる典型例です。そして、現在の東向商店街・興福寺の周辺に見られる南北方向の崖線・段丘は、奈良盆地を生み出した断層帯のうち「奈良盆地東縁断層帯」と呼ばれる地形なのでした。*1

巨大地震などによって断層帯付近で地層にズレが生まれた結果、上層の地層に「たわみ」が生じた地形を撓曲(とうきょく)といいますが、東向商店街・興福寺の周辺の高低差はこの撓曲地形だったのです。

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■東向商店街近くの高低差を上面から

ちなみに東向商店街すぐ隣りの奈良基督教会の地点では、比高差が約10mもあります。まちなかの高低差として、かなり特徴的と思いませんか。

また近鉄奈良駅を出てすぐ、大きな道路(登大路)がはっきりとした高低差を見せています。この登大路の高低差も、奈良盆地東縁断層帯の一部です。奈良のまちが、いかに高低差の凸凹地形に恵まれているか!

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近鉄奈良駅前の高低差(登大路)

奈良の“社会的地形”

そしてこの断層帯から生じた高低差地形こそが、奈良のまちが平城京以降も発展を続けてきたひとつのキーポイントとなりました。つまり崖線より高所の段丘上面が、奈良の伝統的な中心部として発展してきたという経緯です。

ここでもう一度、奈良中心部の地形を見てみましょう。

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■奈良中心部の特徴的な地形

興福寺を中心とした凸凹地形が、奈良のまちにおいて歴史的・社会的に特別なストーリーを備えているように見えてきませんか? 地形とまちの姿を見比べたくなるような誘惑を感じてしまいます。

奈良のまちでは高低差が単に自然地形というより、まち自体を形作るような、いわば“社会的地形”として作用したといえるでしょうか。あるいはもっと一般化して、「まちの地形は社会的に構成されている」ともいってよいかと。*2

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■奈良町から見た興福寺:周囲よりも一段と高い位置です。

今回の奈良をはじめとして、日本中さらには世界中のまちにもきっと、高低差を筆頭に様々な地形とヒトの生活が共存してきた歴史があるのでしょうね。

京都高低差崖会では、自然とヒトの両者が織りなす“社会的地形”を、これからも追いかけて行きたいと思っています。

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